吉本蔵之介は偶然、本当に偶然だったが遊鳥すずりという女性を助けることになる。
蔵之介
ダイス : アイデア(70) → 80(失敗)
すずり
蔵之介
ダイス : 目星(45) → 9(成功)
蔵之介
すずり
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
ダイス : アイデア(70) → 1(成功・クリティカル)
蔵之介
母親
蔵之介
母親
蔵之介
蔵之介
すずり
蔵之介
母親
蔵之介
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
すずり
蔵之介
ダイス : SAN(61) → 34(成功)
蔵之介
すずり
蔵之介
ダイス : アイデア(35) → 48(失敗) ダイス : SAN(61) → 6(成功) SAN-1 ダイス : アイデア(70) → 92(失敗)
すずり
蔵之介
すずり
すずり
蔵之介
ダイス : SAN(60) → 75(失敗)
蔵之介
→蔵之介は玄関に向かう すずり: 1d6 → 6 すずりはリビングに向かう
蔵之介
→皮が破れた手のひらには血が滲んでいる。 HP-1
蔵之介
→蔵之介は脱出の手掛かりを探しにすずりの部屋に向かう すずり: 1d6 → 4 すずりは玄関に向かう →死体を調べる ダイス : アイデア(70) → 1(成功・クリティカル)
蔵之介
→混乱しながら部屋全体を見渡す ダイス : 目星(45) → 83(失敗) ダイス : 知識(50) → 9(成功)
蔵之介
蔵之介
→蔵之介は両親の部屋に向かう すずり: 1d6 → 3 すずりは二階物置に向かう →蔵之介はまず本棚から調べる ダイス : 図書館(25) → 12(成功)
蔵之介
ダイス : SAN(57) → 8(成功)
蔵之介
ダイス : アイデア(70) → 50(成功)
蔵之介
蔵之介
→蔵之介は鍵を探しに物置に向かう すずり: 1d6 → 3 すずりも物置に向かう
蔵之介
ダイス : 隠れる(80) → 56(成功) すずり: 1d6 → 6 すずりはリビングに向かう
すずり
蔵之介
ダイス : 幸運(60) → 62(失敗) →ドアを開けるときに負った傷の回復 HP+1 →蔵之介は空き部屋に向かう すずり: 1d6 → 3 すずりは物置を探し続けている →まず机をチェックする ダイス : 目星(45) → 73(失敗)
蔵之介
ダイス : SAN(57) → 15(成功)
蔵之介
ダイス : 目星(45) → 99(失敗・ファンブル)
蔵之介
ダイス : SAN(57) → 32(成功)
蔵之介
蔵之介
→蔵之介はリビングに向かう すずり: 1d6 → 4 すずりは玄関に向かう
蔵之介
蔵之介
ダイス : SAN(57) → 28(成功)
蔵之介
蔵之介
→蔵之介は隠し扉に向かう
蔵之介
ダイス : 目星(45) → 41(成功)
蔵之介
蔵之介
→蔵之介は先ほどの呪文を使い、雪だるまを自分にみせかけた。
蔵之介
すずり
蔵之介
ダイス : 幸運(60) → 8(成功) ダイス : 回避(30) → 10(成功)
すずり
ダイス : 回避(30) → 17(成功)
蔵之介
ダイス : 幸運(60) → 63(失敗)
すずり
蔵之介
ことの発端は学校の帰りに彼女がコンビニ前で男に絡まれていたのだが、蔵之介はそこそこメディアにも露出しているボーダー・江須隊の隊員ということもあってか、絡んでいた男たちが勝手に「うわ、吉本蔵之介じゃね?」「あのえす隊の?」などと言いながら退散したのだ。
なんのことだと思っていると遊鳥すずりと名乗る女性は感極まった様子でお礼を告げ、「江須隊の蔵之介くんのファンです!」と大いに喜び、そしてどうか家に来てお礼を伝えさせて欲しいと言われ、コミュ障である以前に女の子が少し苦手な過去を持つ蔵之介は上手い断わりも浮かばず、彼女の誘われるがままに今現在彼女の家に向かっている。
すずりが強引な女性であるためか、蔵之介はきちんと顔を見ることができませんでした。
雑談をしながら歩いてまもなく、T字路に差し掛かったところですずりが思い切った様子で口を開く。
すずりの相貌に一瞬違和感を抱く。
何か二重にフィルターが掛かったような不思議な感覚。
しかしその感覚もまばたきした次の瞬間には消え失せる。
指さす方向を見てみれば、すずりの家と蔵之介の暮らす寮はT字路の反対方向にあるようだ。
蔵之介は嫌々ながら遊鳥家を訪れることになる。
彼女の説明通り分かりやすく黄色い屋根の家が見えてくる。
遊鳥家は住宅街から離れたところに建っている2階建てのこじんまりした1戸建てだ。
玄関をくぐった瞬間、蔵之介は季節にそぐわない肌寒さを感じる。
すずりについていくと、リビングのカウンターキッチンで母親が昼食を準備している。
座っている蔵之介のもとに温かな料理が運ばれてくる。
料理を運び終えた母親とすずりが席につくと、いただきますの声と共に和やかな食事が始まる。
メニュー
・野菜たっぷりの肉団子スープ
・春雨の中華風サラダ
・アスパラの卵炒め
すずりは蔵之介の様子をにこにこと見守っています。
しかし、蔵之介が席を離れようとすると、すずりの声が聞こえてくる。
すずりが『ん!』と声を漏らす。
すずりは口からティッシュに何かを吐き出し包んで捨てる。
また、蔵之介はスマホを見ても電波が全く入らないことに気付きました。
なんだかんだ理由をつけて食事を拒否しながらも和気あいあいと食事を終えたあと、母親は『昼から少し出かけてくる』といい後片付けを始める。
蔵之介は早く帰りたかったが、食事を拒否した手前断り辛く、仕方なく誘われるがまますずりと共に2階へ向かう。
すずりがドアを開け、蔵之介を中へと促す。シンプルで清潔感がある部屋だ。
蔵之介が腰を落ち着けたところですずりがベッドに腰掛ける。
きし、とスプリングがきしんで、すずりがそのままベッドの掛け布団をめくる。
そこには目を剥いた女性の死体がある。
急に突きつけられた非日常。
壮絶な顔で横たわっている遺体が、遺体を前に平然と語り掛けてくる目の前の人間が、非常に恐ろしいものに見える。
蔵之介が行動を起こそうとすると、すずりがするりと体を寄せ、腕を掴み、目を見つめてくる。
すずりの力は非常に強く、掴まれた蔵之介の腕はみしりと痛むだろう。
急激に部屋の気温が下がり、全身の毛穴ひとつひとつから冷気が染み込んでくるのを感じる。
窓から射しこんでいるやわらかな太陽の光はそのままに、どこかで雷のような足音が響く。
恐ろしいものが近づいてくる。
※温情で成功判定にしてもらう
強い恐怖を覚える。無理やりにでも腕を振り払いすずりの部屋から飛び出して逃げなければ、と思う。
蔵之介が無理やり腕を振り払うと、すずりの様子が一変する。
すずりの手の爪がかぎ爪のように伸び、髪がうねり渦を描き、家具を巻き混むように部屋の中に凍える風が吹き荒れる。
らんらんと輝く目が、人外の眼光が蔵之介の姿を真っ直ぐに射抜く。
1d10の減少 → -3
冷たい嵐に煽られて、家中の扉がバタバタと悲鳴を上げる。
家屋の隅から隅までを荒らしつくす台風が来たようだ。
パキリパキリと凍結の音が鳴る。
そこらにあった家具が飛び、砕け、部屋に無数の物陰が出来る。
▼遊鳥邸探索箇所
▼2F
・すずりの部屋
・空き部屋
・物置
▼1F
・玄関
・両親の部屋
・リビング
チェーンを開ける、またはドアノブを握ったところで、手のひらが灼熱を掴んだような感覚に襲われる。
凍るような冷たさは痛みとなって脳を狂わせるものだ。
手元を見ると皮膚がドアノブに張りつき凍りかけている。
慎重に手を動かせば、ぺりぺりと皮が引き攣れはするものの手を離すことは可能。
窓や扉を通ってこの家から脱出することは不可能だと理解する。
なんとか脱出しなければなりません。
そのためには脱出経路を探す他ありません。
探索しなくては……と半泣きになりながらも傷付いた手のひらをグーパーしてとぼとぼ他を目指すことになるでしょう。
▼2F/すずりの部屋
部屋全体は先ほどの強風で荒れ果ててしまっている。
サイドテーブルにあった写真立ては打ち壊れ、そのそばにはベッドの上からずりおちた死体がある。
本棚に並んでいた様々な本はバラバラになっている。今なら部屋を調べたあとに廊下に出ることもできるだろう。
▼すずりの部屋探索可能箇所
・部屋全体
・写真立て
・様々な本
・死体
・廊下に出る
▼死体
恐怖を顔に貼り付けたまま絶命している女性だ。
死体の手首から先が切断され、切断面が氷で止血してある。
蔵之介はこの女性が今日すずりにコンビニ前で絡んでいた女性だと気付く。
皮膚が固く、血液まで凍ってしまっている。凍死だと分かる。
▼部屋全体
ナチュラルな色合いで統一されたシンプルな部屋だ。
部屋だった。
すべての窓の鍵が凍り付いている。窓からは逃げられないことが分かる。
▼写真立て
雪景色の中、幼いころのすずりと母親が笑顔で写っている。
3、4歳のすずりは頬を真っ赤に染めて、自分の背丈と同じくらいの大きさの雪だるまに抱き着いて笑っている。
写真の裏に『20XX/XX/XX ロシアにて』と描かれているが、日付までは確認できない。
▼様々な本
散らばった本の中に奇妙なものを見つける。難解な内容の手書きのノートだ。
▼手書きのノート
呪文/平凡なみせかけ
クリーチャーあるいは品物など任意のものを、見る者にとって全くありふれた、取るに足らない、呪文の使い手が望むものに見せかけることが出来る。
呪文の使い手は<呪文の対象のSIZに等しいMP>を消費する。
例1→SIZ10の犬をSIZ6の人形に見せかける→<10MP>が必要。
例2→SIZ3の箱をSIZ12の棚に見せかける→<3MP>が必要。
この呪文はあくまで“見せかける”だけのものだ。
つまり、見る者が呪文の対象に長期間頻繁に接する機会がある場合は大きな違和感を抱く。
呪文をかける対象が無生物ならば、効果は無期限に続く。
対象が生物ならば、効果維持のため1ラウンドにつき1MPを消費する。
<知識>ロール1回目で成功した探索者は呪文の持ち帰りが可能。
▼廊下に出る
家中、いたるところに風がぶつかり何かが砕け散る音が聞こえる。
廊下に出てもすずりの居場所を伺い知ることは出来ない。
▼1F/両親の部屋
落ち着いた色合いの部屋。本棚と仕事机、部屋の奥にはクローゼットがある。
▼両親の部屋探索可能箇所
・本棚
・仕事机
・クローゼット
▼本棚
本がぎっしり詰められている。
家族アルバムを見つける。
母親が独身の頃の写真からすずりが生まれた時の写真、すずりの入園式、小学校の運動会、中学の制服を初めて身に着けた記念……と様々な日常の幸福が収められている。
アルバムの中に父親の姿は見当たらない。
▼仕事机
机の上にはパソコンが乗っている。
どうやら操作してからあまり時間が経っていないようで、ロックがかかっていない。
パソコンの中を見ることが可能。
diaryと銘打たれたショートカットアイコンを見つけることができる。
開くと以下のような内容を把握できる。
*母親の日記内容要約
・ロシアで運命のかたと出会った。
・彼は偉大なる風の化身、雪と共に現れる神。
・わたしは彼に認められた。
すずりは雪遊びが好きみたい。
やっぱりあのかたの子どもなんだ。
昔は雪だるまと人の区別も付かないくらい雪に親しんでいたもの。
さすがに大きくなってからはそんなこともなくなったけれど、今でもどうかしたら間違えちゃうんじゃないかな笑
すずり、あのかたとわたしの可愛い子ども。早く目覚めてわたしの新しい神様になるの
電子的な文字の羅列からも押さえきれない狂気が伝わってくる。
▼クローゼット
大量の服が収められている。探れば何かあるかもしれない。
すずりはこの部屋を『父さんと母さんの部屋』と言っていたが、このクローゼットに入っている服は女性ものばかりだ。
そしてクローゼットの奥の壁に鍵穴があることに気が付く。隠し扉のようだ。
ただその鍵を蔵之介は持っていない。どこかの部屋にあるかもしれない。
▼2F/物置
日常的に使われているような雰囲気だ。
部屋全体にも棚にもほこりがたまっていない。
▼物置探索可能箇所
・部屋全体
・棚
廊下からこちらに向かってくる足音が聞こえ、蔵之介は咄嗟に隠れることができるでしょう。
ドアを閉めてまた探し回っているようです。
今のうちに探索してしまいましょう。
▼部屋全体
生活用品などはここにしまい込んでいるらしい。
一般家庭にあるものは手に入りそうだ。
めぼしいものは見つかりませんが、ガーゼが手に入ったので血が滲んだ手のひらを応急手当がをしました。
▼2F/空き部屋
シンプルな内装の部屋。シンプルというかほぼからっぽだ。
小さな机と小さな本棚がある。
▼探索可能箇所
・小さな机
・本
▼小さな机
持ち運び可能な卓上電灯が乗っている。
引き出しの奥に1枚のメモが隠されている。メモを開くと赤茶けた文字が目に入る。
”これをよんでるヒトがいるならにげて母おやもそろってばけものをよぼ”
途中までしか読めませんでした。
むりやり指でなすりつけたのだろう、必死な血文字だ。
紙面から狂気と執念を感じ取った。
▼本棚
日本語や見慣れない言語の本が並んでいる。
探索者によってはロシア語の本が並んでいることにも気づくだろう。
ロシア語など普段見慣れない言語の文字をみていると頭が痛くなる。
季節は6月。
そろそろ期末あることを思い出してつらくなります。
蔵之介は頑張ってちょっと日本語の文字だけでも読むかとちょっと思いました。
棚の隅の方に分厚い書籍が収められている。見慣れない言語の皮張りの本だ。
手に取ると開き癖により自然とページがめくれ、とある挿絵が目に入る。
……巨大な影の姿だ。
毛におおわれたヒト型のそれは、巨大なヘラジカのような角を空に突き立ててそこに鎮座している。
割れた空からは稲光が降り注ぎ、鋭い牙を照らしていた。
背後には吹雪が喚きを上げ、奇妙な文様を描いているのが確認できる。
かぎ爪と蹄は鋭く尖り、蒸気と霧の巨大な雲を吹き出しながら燃える瞳が紙面越しに探索者を見据えている。
ただの挿絵という、それだけではない容赦ない邪悪が蔵之介の網膜にへばりつく。
蔵之介は咄嗟に本を閉じてしまう。
本を再度開く気にはならないし、いま目に入れたこの姿を思い起こすことすら恐ろしい。
そもそも思い起こすこと自体に。
本能が拒否反応を示している。
▼1F/リビング
先ほどまで穏やかな昼食をとっていたはずのリビング。
棚はなぎ倒され床は剥がれ、見る影もなくなっていた。
カウンターキッチンの方に横たわった人間の足が見える。
▼リビング探索可能箇所
・棚
・人間の足
・カウンターキッチン
すずりは玄関を調べてるようで、蔵之介くん出ていってはないよね~などと声が聞こえるでしょう。
▼人間の足
近くに寄ればその2本の足が誰のものか気付くだろう。
包丁が胸に刺さり絶命しているすずりの母親の死体だ。
そばに寄ると、母親の服のポケットから鍵がのぞいているのに気づく。
蔵之介は合掌してから鍵をとります。
▼地下階段
クローゼット奥の隠し扉を開けば、細く暗い階段が地下に続いている。
明かりがなくとも足元にわずかな光源があるため、壁に手をついて降りていけるだろう。
歩を進めるごとに空気が冷たくなっていく。
産毛まで凍り付きそうな冷気の中、階段を降りた先には重厚な鉄の扉があった。
冷たく光るドアノブを握りがちゃりと回すと、そこには暗く広い空間が広がっていた。
蔵之介はそこが地下室だと一瞬おくれて理解する。
冷たい光に照らされて、広い広い地下室一面に雪が敷き詰められているのだ。
それはまるで雪塚のようだった。
空間には機械音が響いている。
目をやれば壁に埋め込まれた人工降雪機から絶えず雪が噴出されているのが見えた。
踏みしめた足元からきゅっきゅと音がする。
力をこめて握れば固まるタイプの雪だろう。
物を成形するのにちょうどよさそうだ。
雪の噴出口は天井に近く、手が届きそうにもない。
足元に目をやれば、雪深くに埋もれて排水用とおぼしき扉の取っ手がみえる。
ここから外に出られるだろうが排水用扉を覆う雪は固く凍っており、現時点では扉を開けることは不可能だ。
雪塚と人工降雪機を確認した後、探索者は遠くでガチャリという扉の音がしたのに気づく。
雪が周囲の音を吸い込んで、だからこそ聴こえたのだろう。
蔵之介はすずりが、この上の部屋に、両親の部屋に入ってきたのだと理解する。
すずりは両親の部屋の中を徘徊している。上で強い風が吹き荒れるのが聞こえる。
MP-10
MP10を使い、残り2となった蔵之介はもうくらくら気絶しそうなくらいです。
めまいもするでしょう。
その時、バタン、という音が2回続けて響く。
すずりがクローゼットを開き、さらにその奥の地下へと続く扉をくぐったのだろうということが分かる。
階段をおりてくる静かな足音が聞こえる。
……扉を開けたすずりは激昂する。
蔵之介と同じサイズの雪だるまに気付いたすずりは大きな声をあげて歓喜します。
彼女には雪だるまが蔵之介に見えていました。
すずりが強い風を巻き起こし、雪が奇妙な文様を描きながら舞い散り始める。
雪塚全体をひっくり返すような吹雪の中、すずりは『あなたの姿をした雪だるま』に対し攻撃を行なう。
あなたは3ラウンド耐える必要があります。
空中に雪の塊を飛来させたすずりが、白く鋭い巨大なつららを作り上げる。
轟音を立てて巨大なつららが雪だるまを目掛け雪塚一面に降り注ぐ。
蔵之介は人工降雪機のそばの排水用扉が露出してきたことに気付く。
すずりが片手をすいと上げる。
ず、ず、と這いずるような音を立てて部屋の両側に白い壁が立ち上がった。
すずりが指を振り下ろすと、圧倒的な質量をもった雪の壁が勢いよく津波のように部屋の部屋の中央へ雪崩ゆき、爆発するような音を立ててはじけ散る。
雪だるまは粉々にすりつぶされてしまっただろう。
すずりのあまりのキモさと危機的な状況を察したのか咄嗟に避けます。
排水用扉を覆っていた雪が半分以上取り払われていることに気付く。
すずりが両手を大きく広げ天井を仰いだ。
ざわざわと髪が戦慄いて、雪塚中の雪が振動する。
奇妙な文様を描きながら雪は渦を巻き、雪だるまの欠片を巻き込んで巨大な竜巻を形作っていく。
鉄がひしゃげる音が響き人工降雪機のうなりがかき消され、すべてがビキビキと甲高く悲鳴を上げる。
雪が取り払われた床に、ゆがみ、開きかけた排水用扉がある。
この扉をくぐれば下水道から外に逃げることが出来るとわかる。
吹雪のいななきに追われるように排水用の扉をこじ開けて、蔵之介は一目散に下水道を辿る。
しばらく行くとマンホールに繋がるハシゴを見つけることができる。
道端から蔵之介が顔を出すころには、辺りは暗くなっていた。
マンホールから出るため両手に力を入れ自分の体を持ち上げる。
遠く背後で、何かが砕け散る音を聞く。
振り返るならば、薄暗い空に黄色い屋根が、かつて家だったものの残骸が白い竜巻に巻き上げられて雲の彼方へ消えていくのが見える。
……蔵之介の腕にはあのとき、すずりに掴まれた手の跡がくっきり痣になっている。
しばらくはこの出来事を忘れることは出来ないだろう。
シナリオエンド: 探索者生還
クリア報酬:SAN回復1d15 → 6 最終SAN値 63